(株)石上不動産鑑定・石上司法書士司法書士事務所は 不動産と法律の総合コンサルタントです。
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2007年08月21日

ノンリコースローン(Non-Recourse Loan)

ノンリコースローンとは

これまでのローン(リコースローン)では、融資するか否かは、借り手の事業内容や財務内容で判断します。
ノンリコースローンでは、担保となるのは融資対象の物件の収益性将来の処分価値のみです。

融資者には不動産の価値を適正に評価する能力やリスクに対する判断能力が必要です。
ノンリコースローンはリスクが高い分、通常より高い金利となるのが普通です。

日本ではリコースローンが一般的でしたが、バブル崩壊で多くのローンが不良債権化した際に、求償権が限定されておらず不良債権処理処理が大幅に遅れることになりました。

今後は日本においてもノンリコースローンの割合が増えることが予想されます。

個人や会社の信用力や資産ではなく、対象物件の収益力を評価して実行する融資で、一般的な銀行融資のように過去の取引実績は求められません。
安定した収益が見込める物件であれば、基本的にだれでも利用可能です。返済原資が融資対象物件に限定されるため、その他の資産に返済義務が及ぶことは原則としてありません。

ノンリコースローンのメリットと危険性

ノンリコースローンは、不動産投資のリスクを限定しながら、レバレッジ効果を利用して投資効率の向上を実現できるとされます。

しかし、アメリカのサブプライムローンの破綻の様に、リスクを完全になくすことはできません。
注意が必要です。



サブプライムローン

サブプライムローンとは

米国の住宅ローンで、銀行などの通常の条件の融資を受けられない、信用力の低い消費者に住宅購入資金を貸しだすローン。

融資の審査基準が甘い代わりに返済金利は高い。当初の金利は低く設定されているが数年後から金利は10%以上と高くなる。
低所得層にマイホームを提供してきたが、金利が上がる時期が到来して、大量の焦げ付き問題が表面化している。



贈与税の住宅取得資金贈与の特例

贈与税住宅取得資金贈与の特例

5分5乗方式」による住宅取得資金贈与の特例については、平成17年末をもって廃止されていますので、注意が必要です。

相続時精算課税制度のあらまし

相続時精算課税とは

相続時精算課税においては、親から贈与を受けた子は、贈与を受けた際に、その贈与財産に対する贈与税をいったん支払います。
その後、相続が発生した場合には、その贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に相続税額を計算します。
この相続税額から、既に支払った贈与税額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税をすることができます。
なお、ここで加算する贈与財産の金額は、贈与時の価額(相続税評価額)になります。
このように、相続時精算課税に係る贈与を行った場合は、贈与時の時価で相続税の計算に合算されるため、相続財産を減らす効果はなく、基本的には相続税の節税にはなりません。

適用を受けるための要件

この制度の選択をしょうとする受贈者(子)は、この制度の適用対象となる贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に税務署長に対し、この特例を選択する旨の届出書(「相続時精算課税選択届出書」)を贈与税の申告書に添付します。納付税額がなくとも、申告は行う必要があります。

相続時精算課税の適用対象者

相続時精算課税の適用対象者は、贈与者については、贈与をした年の1月1日現在65歳以上の親、そして、受贈者については、贈与を受けた年の1月1日現在20歳以上の子である推定相続人(代襲相続人を含む)であることとされています。
適用の単位は、受贈者ごと、親ごとにそれぞれ選択することができます。
子Aは、父及び母の両方からの贈与について、この制度を選択し、子Bは、父からの贈与についてのみこの制度を選択し、母からの贈与については暦年課税により申告することも可能です。

相続時精算課税による税額計算

①税額計算の方法受贈者(子)は、この制度を選択した場合には、贈与者(親)からの贈与財産について、他の贈与財産と区分して、その贈与者からの贈与財産の価額の合計額から2,500万円(特別控除額)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出した税額を納付します。

②2,500万円特別控除の取扱い特別控除額は、複数年にわたる贈与財産の価額の合計額が2,500万円に達するまでは、1固きりではなく、何回でも利用できます。

相続時精算課税の住宅取得等資金贈与の特例

住宅取得等資金の贈与の特例とはこの特例では、満65歳以上の親から受ける贈与について認められる相続時精算課税の選択を、満65歳未満の親から受ける贈与についても選択でき、しかも特別控除額が1,000万円上乗せされて3,500万円になります。
(2)特例の対象となる住宅取得等資金とは特例の対象となる住宅取得等資金とは、平成19年12月31日までの間に贈与を受けた、次の新築住宅若しくは中古住宅又は増改築に充てるための金銭をいいます。

①受贈者(子)による床面積50nf以上その他=定の要件を満たす住宅用家屋の新築又は建売住宅の取得(新築又は取得に合わせて敷地を取得する場合には敷地を含む)

②受贈者(子)による床面積50㎡以上、築後20年(耐火建築物25年)以内その他一定の要件を満たす中古住宅の取得(住宅の敷地も合わせて取得する場合には敷地を含む)

③受贈者(子)が所有する家屋につき行う一定の増改築等(土地等の取得を伴う場合には、その土地等を含む)で工事費用が100万円以上であるもの



2007年08月23日

中間省略登記

中間省略登記における契約類型

不動産売買において、登記中間省略が再び出来るようになりましたが、そもそも中間省略は、主に業者が転売目的物件の経費節減のために使う手法で、通常は売主の不動産を出来るだけ安く購入し、買主を見つけて利益を上乗せして売却するわけです。

売買とはあるモノの所有者が「譲渡人」となり、そのモノを欲する相手方が「譲受人」となって相当対価を支払い、そのモノの所有権を移転せしむる法律行為です。
売主Aはモノを譲ることで金銭対価を得ることを目的とし、買主Bはモノの占有・使用・所有を目的とします。

第三者のためにする契約

しかし、買主Bの目的はモノの占有・使用・所有には無く、転売利益を得ることですから、当該「売買契約」も当事者の目的に沿って締結されるとするならば、買主Bが当該物件を別の誰か(第三者C)に売り渡すことを前提とした契約内容にすべきという考え方になるのは当然です。
したがって、転売人Bの所有権を登記せずに第三者Cへ直接所有権登記を移転させる理由(登記原因)を「当該買主Bの譲受目的は第三者Cへの譲渡」とすることで、A-B、B-C問の物権変動(所有権移転)をAからCへの物権変動であると認めるとしたわけです(運用)。

買主の地位の譲渡

一方、買主の地位の譲渡は、A-Bの売買契約において、同様にBの地位を譲渡することを予め約定し、第三者CがBの地位を譲り受けた場合、当該売買契約はA-C間で締結したものとするものです。いずれの場合も契約内容、登記原因情報共にそのことを明文化し、売主A及び第三者Cの承諾を得て登記を直接移転させることが前提となっています。
したがって、よく行われている「転売利益を得る売却行為を売主には伏せたまま」の登記中間省略を容認したものでは無いので、A-B・B-C間においてそれぞれ別個の売買契約が成立する形態とするなら、現行の登記制度上やはりそれぞれに公示(登記)することが求められてしまいますので注意が必要です。

相違点

ただし、どちらの契約形態を採った場合でも、予め第三者Cの具体的な指定がなされている必要は無く、A-B間の代金決済後でも、Aに登記を留保したまま(二重譲渡又はAの債権者からの執行手続き等のリスクはあるが)転売先を探すことも出来ますし、Bに登記を移転(移転先をBに指定する意思表示要)することも出来ます。
また、Aに対して新たな印鑑証明書等の登記必要書類の提出を請求しすることも可能です。

宅地建物取引業法施行規則の一部改正

規制改革・民間開放推進会議の「規制改革・民間開放の推進に関する第3次答申」(平成18年12月25日)において、甲乙丙の三者が売買等に関与する場合であっても、「第三者のためにする契約」又は「買主の地位の譲渡」により、実体上、所有権が「甲→丙」と直接移転し、中間者乙を経由しないときには「甲→丙」と直接移転登記をすることが可能である旨、規制改革・民間開放推進会議と法務省との間で確認され、日司連を含む関係機関に周知されました。

しかしながら、甲乙間の契約を「第三者のためにする契約」として締結し(所有権は、第三者のためにする契約の効力に基づき、甲から丙に直接移転する旨の特約を付される)、乙丙間を他人物の売買契約として締結する場合において、乙が宅地建物取引業者で丙が一般消費者であるときは、乙丙間の契約は宅地建物取引業法第33条の2(自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限)に抵触することから、本年の規制改革会議においてさらに検討が進められ、今般、『規制改革推進のための第1次答申』(平成19年5月30日)において、「乙が他人物の所有権の移転を実質的に支配していることが客観的に明らかである場合等、一定の類型に該当する場合にはこの規定の適用が除外されることが明確となるよう、国土交通省令等の改正を含む適切な措置を講ずる必要がある。」とされたところです。
この答申を踏まえ、「宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令に関するパブリックコメントの意見募集」(6月8目~7月7目)が実施され、7月10日、別紙(官報第4622号)のとおり、宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する省令(国土交通省令第70号)が公布・同日施行されました。



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